レスベラトロールが体外受精治療成績に及ぼす影響:探索的無作為プラセボ対照試験
The impact of resveratrol on the outcome of the in vitro fertilization: an exploratory randomized placebo-controlled trial J Ovarian Res 2024; 17: 81.
ART高齢女性患者への治療開始前3ヶ月間のレスベラトロール投与は卵巣刺激反応性指標(FORTやFOI)を改善し、FSH感受性を高めることがイタリアで実施されたRCTにより示唆されました。
Graphical Abstract
背景:レスベラトロールは、植物や赤ワインに含まれる天然のポリフェノール化合物で、多くの健康効果がある可能性が指摘されている。この化合物には、さまざまな抗炎症作用や抗腫瘍作用があり、細胞のミトコンドリア活性を改善する。本研究は、正常な卵巣予備能(AMH > 1.2 ng/ml)を有する35歳以上の女性を対象に、レスベラトロール補給が体外受精の治療成績に及ぼす影響を評価することを目的として実施された。被験者女性患者を無作為に2群に割り付け、一方には卵巣刺激前の3ヶ月間レスベラトロールを1日に150mg投与、もう一方にはプラセボを投与した。
結果:この研究は2019年1月から2022年12月にかけて実施され、合計37例の症例と33例の対照群が登録された。レスベラトロール投与群とプラセボ群の女性の間で、採取卵子数、生化学的妊娠率、臨床的妊娠率、出産率に統計的に有意な差は認められなかったが、卵巣刺激に対する反応性の指標であるFORT(卵巣刺激後の発育卵胞数/刺激前の胞状卵胞数)はプラセボ群(0.77)に比べてレスベ群(0.92)は有意に高く(p=0.02)、FOI(採卵数/刺激前の胞状卵胞数)もプラセボ群(0.64)に比べてレスベ群(0.77)は有意に高い(p0.006)ことがわかった。
結論:卵巣刺激前3ヶ月間のレスベラトロールに投与は、FSHに対する卵巣感受性を改善し、高齢不妊女性患者における卵巣刺激への低反応のリスクを低減させる可能性があることが示唆された。